「捨てる」を「資源」に変えるサーキュラーエコノミーの専業プレイヤー、株式会社リファインバースグループ(東証グロース・7375)。使用済みタイルカーペット・廃漁網・エアバッグ基布などの未利用廃棄物を独自技術で再資源化し、産業廃棄物処理から再生素材の製造・販売までを一気通貫で手がけます。筆頭株主に三菱ケミカル(10.45%)を迎え、油化ケミカルリサイクルの本格化を掲げる、脱炭素・資源循環テーマの本命の一角です。
株価は2026年2月の765円から4月に2,660円へ約3.5倍に急騰、その後1,200円台へ半値以下に押し戻されました。業績はV字回復(FY2026第3四半期は経常+61%)である一方、自己資本比率11%・D/E約10倍という財務の脆弱さを抱えます。本記事では、決算・有報・成長可能性資料・大株主データをもとに、強気材料と弱気材料の両面から整理し、現在の株価水準を「評価手法の例示」として検証します。
本記事は東証グロース個別銘柄の調査・分析です。事実(開示・一次情報)と推察を分けて記載し、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は決算短信(2026年6月期第3四半期・2026年5月15日開示)、有価証券報告書(EDINET・E36478)、中期経営計画「Growth100」(事業計画及び成長可能性に関する資料)等に基づきます。投資判断はご自身の責任でお願いします(末尾の免責を必ずお読みください)。
※ 本記事はグロース株調査レポート一覧の一つです。サーキュラーエコノミー・資源循環テーマの個別銘柄分析としてご覧ください。
1. 会社概要|廃棄物の回収から再生素材の製造まで一気通貫の資源循環企業
事実:リファインバースグループ(証券コード7375、東証グロース、EDINETコードE36478、日本基準・連結、決算期6月末)は、純粋持株会社体制で資源循環事業を営みます。本社は東京都千代田区丸の内。代表取締役社長は越智晶氏で、グループ従業員数は約199名(2025年6月時点)。事業は使用済みタイルカーペット・廃漁網・エアバッグ基布などの未利用廃棄物を独自技術で再資源化し、石油由来素材に対して環境負荷の低い再生素材を供給する「サーキュラープラットフォーム」の構築を掲げています。
事実:事業は「資源ビジネス」(産業廃棄物の中間処理)と「素材ビジネス」(再生素材の製造・販売)の2セグメント。廃棄物を回収して処理費(動脈側の収入)を得つつ、その廃棄物を原料に再生素材(静脈側の収入)を製造・販売する、「入口(処理)と出口(素材)の両側で稼ぐ」二毛作モデルが特徴です。推察:この一気通貫構造は、原料(=廃棄物)を安定・低コストで確保でき、かつ処理と素材の双方から収益を取れる強みである一方、後述のとおり素材ビジネスの採算がまだ低く、本社費も重いため、連結の利益率は事業の潜在力ほど高く出ていません。
2. 売上の「質」|利益は資源ビジネスがほぼ全て、素材ビジネスは薄利・縮小
事実:連結売上を経済性の異なる2セグメントに分解すると、利益のほとんどを資源ビジネス(産廃処理)が生み、素材ビジネスは薄利という構造が鮮明です(2025年6月期)。
| セグメント | 内容 | 売上(百万円) | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 資源ビジネス | 産業廃棄物の中間処理(タイルカーペット・廃プラ等) | 2,849 | 70.0% | 606 | 21.3% | +13.0% |
| 素材ビジネス | 再生素材(再生ナイロンREAMIDE・再生塩ビ・ゴムチップ等) | 1,222 | 30.0% | 49 | 4.0% | -8.2% |
| 全社調整 | 本社費・セグメント間消去等 | — | — | 約▲473 | — | — |
| 連結 | 4,070 | 100% | 182 | 4.5% | +5.7% |
(出典:EDINET DB/有価証券報告書「セグメント情報」。2025年6月期・連結。営業利益は百万円。全社調整はセグメント営業利益合計655百万円と連結営業利益182百万円の差から試算。)
3. 決算構造の要点|V字回復の一方、過去には特損・減損の傷
事実:業績は「回復トレンド」にありますが、過去にはM&A起因の大型損失で純損益が赤字に沈んだ期もあり、変動が大きい点は正面から見ておくべきです。
| 連結(6月期) | 2022/6 | 2023/6 | 2024/6 | 2025/6 | 2026/6(会社予想) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,733 | 4,472 | 3,853 | 4,070 | 4,800(+17.9%) |
| 営業利益 | 263 | 211 | 33 | 182 | 380(+108.5%) |
| 経常利益 | 213 | 177 | 7 | 151 | 330(+118.2%) |
| 当期純損益 | 183 | ▲505 | — | 146 | 300(+105.4%) |
| 自己資本比率 | 16.8% | 1.5% | 1.9% | 6.1% | (11.07%※直近) |
(単位:百万円。出典:EDINET DB/決算短信・有価証券報告書。2023/6期の純損失は特別損失671百万円・減損223百万円を計上。直近自己資本比率11.07%はirbank.net・2026年7月時点。)
事実:足元の2026年6月期第3四半期(累計・9か月)は売上高3,332百万円(+7.0%)、営業利益245百万円(+54.0%)、経常利益218百万円(+61.4%)、純利益184百万円(+61.1%)と大幅増益。通期会社予想(売上4,800・営業380・経常330・純益300百万円)に対する進捗率は売上69.4%・営業利益64.5%で、線形目安(Q3=75%)比ではやや遅れており、通期達成は第4四半期の伸びに依存します。推察:営業利益が前年比2倍超という会社予想は、資源ビジネスの二桁増収と本社費の吸収(営業レバレッジ)が前提。3Qまでの増益基調は追い風ですが、Q3時点の進捗が線形をやや下回る点は、通期上振れを楽観しすぎない目線が要ります。
4. テーマ性の検証(◎実事業/○ビジョン・立上げ段階/×確認できず)
| テーマ | 判定 | 根拠(出典) |
|---|---|---|
| サーキュラーエコノミー/資源循環 | ◎ 実事業 | 産廃中間処理+再生素材で売上約40億円の本業そのもの。処理から素材まで一気通貫(有報・会社IR)。 |
| 再生ナイロン「REAMIDE」 | ◎ 実事業 | 廃エアバッグ基布・廃漁網を原料に樹脂を製造・販売、北海道で生産。廃車エアバッグ回収も開始(会社IR・PR TIMES)。 |
| 油化ケミカルリサイクル | ○ 立上げ段階 | 筆頭株主・三菱ケミカルと資本業務提携し本格化を計画。Growth100で2028年に原料供給2万t目標。現状は量産前で売上開示はこれから(会社IR・maonline報道)。 |
| GX・脱炭素(国策追い風) | ○ 政策環境 | プラスチック資源循環促進法・脱炭素政策が追い風。鹿嶋市6者連携(東洋製罐G・キユーピー・カスミ等)等の実装事例(自治体発表・PR TIMES)。 |
| 生成AI/半導体/核融合/量子/防衛 | × 確認できず | 事業・提携として確認できない。これらのテーマ買いを期待材料に織り込むのは根拠が薄い。 |
推察:テーマの本物度は「資源循環・再生ナイロン」で高く、「油化ケミカルリサイクル」は本命だが立上げ段階という濃淡です。ケミカルリサイクルは三菱ケミカルという筆頭株主かつ大手素材メーカーの実需連携が裏づけであり、単なる標榜より格段に本物度が高い一方、量産による売上寄与はこれからであり、ビジョンと実装の距離を割り引いて理解すべきです。半導体・AI等の人気テーマとは無関係で、この銘柄はあくまで「循環経済×素材」のストーリーで評価するのが適切です。
5. 提携・資本関係のマッピング|三菱ケミカルが筆頭株主、大手商社も
本銘柄のストーリーの核心は三菱ケミカルとの資本業務提携です。大株主・提携網を整理します。
| 相手先 | 持株比率 | 関係・事業連携の中身(出典) | 本物度 |
|---|---|---|---|
| 三菱ケミカル | 10.45%(筆頭) | 資本業務提携。油化ケミカルリサイクルの本格化で連携。2026年2月にはMUFG銀行と3者でオフィス由来使用済みプラの再資源化MOU。 | ◎ |
| 越智 晶(代表取締役社長) | 9.75% | 創業家。関連の越智敏裕3.61%・越智源(株)2.84%を含め創業家計 約16%。 | ◎ |
| SUMINOE(住江織物) | 7.36% | タイルカーペット大手。使用済みカーペットの回収・リサイクルで事業親和性が高い事業会社株主。 | ○ |
| 稲畑産業 | 2.99% | 化学専門商社。再生素材の販路・商流面での連携が想定される。 | ○ |
| その他 | — | 大量保有報告では住友商事・三井住友DSアセットマネジメント等も名を連ねる(時期により変動)。 | ○ |
(出典:EDINET DB/有価証券報告書「大株主の状況」2025年6月期、irbank.net「大量保有報告」、各社報道・PR TIMES。持株比率は2025年6月期末時点。)
推察:筆頭株主が三菱ケミカルという事実は、ケミカルリサイクルテーマの「本物度」を裏づける強力な傍証です。大手素材メーカーが原料の出口(=リサイクル樹脂の受け皿)になり得るため、Growth100の油化ケミカルリサイクル計画は絵空事ではありません。加えてタイルカーペット大手のSUMINOE、化学商社の稲畑産業と、入口(廃材の供給・回収)と出口(素材の販路)の双方で事業会社が株主に並ぶ点は、供給網としての強みです。ただし提携の「良い面」だけでなく、これら事業会社の保有分が将来的な需給要因になり得る点も併せて見ておく必要があります。
6. 過去の株価|2026年に765円→2,660円の約3.5倍、その後半値以下へ調整
事実:過去3年の株価来歴を見ると、直近で明確な大相場がありました。3年間の安値は550円(2024年8月)で、2026年に入り安値765円(2月16日)→高値2,660円(4月22日)へ約3.5倍に急騰、以後は1,200円台へピークから半値以下に押し戻されています(現値1,216円=2026年7月8日)。3年の最安値550円起点では最大で約4.8倍に達しました。
| 期間 | 安値 | 高値 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2024年6月期 | 609円 | 2,066円 | — |
| 2025年6月期 | 550円 | 875円 | — |
| 2026年6月期(進行中) | 765円(2/16) | 2,660円(4/22) | 約3.5倍 |
| 現値(2026/7/8) | 1,216円(高値から約▲54%) | — | |
(出典:irbank.net/株探。安値・高値は各期の年初来ベース。)
推察:2026年前半の急騰要因は、事実として①三菱ケミカルとの連携強化・ケミカルリサイクル本格化の報道(2026年1月〜)、②業績のV字回復(3Q経常+61%)、③超小型・低流動(時価総額約40億円・浮動株僅少)での需給主導、の3点が重なったものと整理できます。推察としては、テーマ・需給が先行して株価が業績を大きく追い越し、その後の材料一巡で調整に入った「テーマ/需給先行型の大相場」と読めます。過去の数倍化は再急騰期待で個人心理を刺激する一方、2,660円という高値覚えによる戻り売り圧力を生んでおり、需給の重さ(後述の信用買残)と併せて上値の抵抗要因になります。
7. 経営陣・株主構成・需給チェック
事実(経営):越智晶社長は創業家出身の経営者で、個人で9.75%、関連を含めた創業家で約16%を保有し、経営者の「スキン・イン・ザ・ゲーム」は強い水準です。従業員数は165→192→201→199名(2022→2025年6月期)と概ね200名規模で、Growth100の増収計画に対しては横ばい圏。推察:資源循環業は処理量・設備(capex)に成長が連動する装置産業的な性格が強く、SaaSのように人員が線形に増える必要はないため、人員横ばい=直ちに計画矛盾とはしません。ただし創業家×高持株は長期目線・意思決定の速さという強みである一方、キーパーソン依存・後継体制は構造的リスクで、創業社長であること自体を無条件の買い材料とはしません。
事実(需給):発行済株式数は約334.8万株と超小型・低流動で、時価総額は約40.7億円(2026年7月8日)。信用買残は307,200株(2026年6月26日)=発行済株式の約9%に達し、直近の急騰局面で積み上がった買い建てが戻り売りのオーバーハングとなっています。発行済株式数は2022年の約331万株から2025年の約335万株へ+約1.1%とほぼ横ばいで、新株予約権の行使による希薄化は年率〜1%程度と軽微と推定されます(正確な新株予約権残は有報で要確認)。需給の総合判定は「留意」(低流動+信用買残の戻り売り圧力)と置きます。
8. 中期経営計画「Growth100」との整合性と計画信頼度
事実:同社は中期経営計画「Growth100」を掲げ、2028年6月期に売上高129億円(連結消去後100億円)、EBITDA20億円、年平均成長率35%を目標としています。連結消去後売上の想定推移は4,070(25/6)→4,800(26/6予)→7,300(27/6)→10,000(28/6)百万円。主要KPIは、①油化ケミカルリサイクル向け廃プラ原料供給2万t(2028年、将来的に20万t)、②使用済みタイルカーペット調達35,000t/年(2028年)、③産業廃棄物処分受託10万件(2028年)です。
(出典:中小機構「100億宣言」/事業計画及び成長可能性に関する資料。)
推察:計画は「規模拡大+利益率改善」の二正面型で、売上を約2.5倍・EBITDAを約5倍に引き上げる高い野心度です。計画信頼度は「中」(下限寄り)と判定します。根拠は、引き上げ要因=①足元のV字回復(FY2026 3Q営業利益+54%)、②三菱ケミカルという実需の裏づけ、引き下げ要因=①2023年6月期に特損671百万円・減損223百万円を計上しM&A由来の成長が一部剥落した過去(FY2023売上4,472→FY2024売上3,853へ反落)、②FY2024に営業利益が33百万円まで急減した業績変動の大きさ、③計画後半(27/6→28/6で売上を7,300→10,000へ)はケミカルリサイクルの量産という未実証の飛躍に依存する点。過去にゴールポストの移動・大型損失の履歴がある企業である以上、計画の前半(足元の回復)は相応に信頼できても、後半の跳ね(ケミカルリサイクル量産)は実装の進捗を都度確認するスタンスが妥当です。
9. 適正株価の考え方(評価手法の例示・断定はしない)
事実:事業の経済性が資源ビジネス(高採算)と素材ビジネス(薄利)で大きく異なり、かつ本社費が重いため、連結倍率一発では測りにくい銘柄です。ここでは①予想PER、②EV/EBITDA、③SOTP的な検算を併用し、シナリオで幅を持たせます(株数は約334.8万株、ネット有利子負債約21.5億円を使用)。
| シナリオ | 前提 | 評価の目安(1株価値レンジ) |
|---|---|---|
| 弱気 | 本社費を吸収しきれず利益回復が一巡、ケミカルリサイクル量産が遅延。FY2026予想EBITDA約6.1億円にEV/EBITDA8倍、または予想EPS89.6円にPER10倍。財務脆弱で金利上昇が逆風。 | おおむね 800〜900円 |
| 中立 | FY2026会社予想(営業利益+108%)を概ね達成し、資源ビジネスの二桁増収が続く。EV/EBITDA11倍/予想PER15倍前後。 | おおむね 1,300〜1,400円 |
| 強気 | Growth100が軌道に乗り、三菱ケミカルとの油化ケミカルリサイクルが量産化。営業レバレッジで利益率が改善しEBITDA拡大。EV/EBITDA14倍/予想PER22倍。 | おおむね 1,900〜2,200円 |
(倍率は評価手法の例示であり、断定的な目標株価ではありません。EV/EBITDAはFY2026予想営業利益380+減価償却約230=EBITDA約610百万円、ネット有利子負債約21.5億円、株数334.8万株で試算。)
推察:現値1,216円(時価総額約40.7億円)は、上表では中立レンジのやや下にあたり、FY2026会社予想の達成をほぼ織り込みつつ、Growth100後半の跳ねはまだ十分には織り込んでいない水準と読めます。2026年4月の高値2,660円は、上表の強気レンジを大きく上回っており、当時は「ケミカルリサイクル量産成功後」の理想シナリオを先取りしていたと整理できます。成立条件(強気):①三菱ケミカルとの油化ケミカルリサイクルが具体的な供給量・売上として立ち上がる、②本社費を吸収して営業利益率が二桁へ改善、③財務改善(自己資本の積み増し)が進む。崩れる条件:①ケミカルリサイクル量産の遅延と素材ビジネスの一段の減損、②信用買残の解消(戻り売り)と低流動での需給悪化、③金利上昇でグロース小型のバリュエーションが圧縮。環境オーバーレイ:時価総額40億円規模の超小型グロースは機関投資家の資金が入りにくく需給主導で値動きが荒いほか、赤字転落履歴・薄い自己資本ゆえにPBR約10倍という資産面の割高感(下値のBPSは自己資本ベースで約63円)も割り引いて考える必要があります。なお小型ゆえアナリストカバレッジは薄く、会社予想と予想PER(現値で約13.6倍)が主な拠り所です。
10. カタリストカレンダー(直近〜数カ月先)
| 時期 | イベント | インパクト | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 2026/8/14 | 2026年6月期 通期本決算・翌期会社予想の開示 | ★★★★★ | 通期着地(進捗64.5%からの上振れ/下振れ)とFY2027ガイダンスが焦点 |
| 随時 | 三菱ケミカルとの油化ケミカルリサイクルの供給量・売上化の開示 | ★★★★ | Growth100後半の実装度を測る最重要材料 |
| 随時 | タイルカーペット調達拡大・産廃受託件数の進捗 | ★★★ | 資源ビジネスの増収の裏づけ |
| 随時 | 再生ナイロンREAMIDE・自動車バンパー再生技術等の新製品/技術開示 | ★★★ | 素材ビジネスの採算改善の材料 |
| 継続 | 信用買残(約9%)の解消動向 | ★★★ | 戻り売り圧力の重し。低流動で株価変動を増幅 |
11. 強気材料(この銘柄に注目する理由)
- 高採算の資源ビジネス:営業利益率21.3%・二桁増収の産廃処理が利益エンジン。廃材を安定・低コストで確保できる一気通貫モデル。
- 三菱ケミカルが筆頭株主:大手素材メーカーとの資本業務提携がケミカルリサイクルテーマの本物度を裏づけ。出口(樹脂の受け皿)を確保しやすい。
- 業績のV字回復:FY2026第3四半期は経常+61%、通期会社予想は営業利益+108%。本社費を吸収する営業レバレッジの兆し。
- 国策の追い風:プラスチック資源循環促進法・脱炭素政策でサーキュラーエコノミー需要が拡大。鹿嶋市6者連携等の実装事例。
- 独自技術と成長絵姿:再生ナイロンREAMIDE等の独自素材、Growth100で2028年売上100億円(消去後)・EBITDA20億円の高成長計画。
- 創業家の高いコミットメント:越智社長個人9.75%・創業家計約16%と経営者の当事者性が強い。
12. 弱気材料・リスク(手を出す前に確認すべき点)
- 財務が脆弱:自己資本比率6.1%(直近11%)・D/E約10倍・ネット有利子負債約21.5億円・利益剰余金マイナス。金利上昇と業績変動への耐性が低い。
- 過去に特損・減損の履歴:2023年6月期は特損671百万円・減損223百万円で純損失▲505百万円。M&A由来の成長が一部剥落した過去。
- 素材ビジネスが薄利・縮小:営業利益率4%・前期比減収で減損も計上。再生素材の採算改善は道半ば。
- 本社費が重い:セグメント利益655百万円に対し連結営業利益182百万円。持株会社の固定費が利益を圧縮。
- 計画後半は未実証の飛躍:Growth100の7,300→10,000百万円はケミカルリサイクル量産の成功が前提で実行リスクが大きい。
- 需給が重く値動きが荒い:時価総額約40億円の超小型・低流動、信用買残約9%の戻り売り圧力、2,660円の高値覚え。
- バリュエーションの割高感:PBR約10倍と資産面の下値支えは乏しく(BPS118円)、金利上昇局面では最も不利。配当は0%。
13. まとめ|「本物の循環経済テーマ」と「脆弱な財務・重い需給」の綱引き
リファインバースグループ(7375)は、産廃処理から再生素材まで一気通貫で手がけるサーキュラーエコノミーの専業プレイヤーで、営業利益率21%の資源ビジネスという確かな利益エンジンと、筆頭株主・三菱ケミカルとのケミカルリサイクル連携という強力なテーマの裏づけを持ちます。業績はV字回復し、Growth100で2028年売上100億円(消去後)を掲げる成長絵姿は明確な強気材料です。
一方で、自己資本比率6.1%・D/E約10倍という財務の脆弱さ、素材ビジネスの薄利・縮小、重い本社費、そして過去の特損・減損の履歴は、正面から向き合うべき弱気材料です。株価は2026年前半に765円→2,660円の約3.5倍に急騰した後、材料一巡と信用買残の重しで1,200円台へ調整しており、現値はFY2026会社予想の達成を概ね織り込む水準にあります。次の焦点は、8月14日の本決算での通期着地と翌期見通し、そして三菱ケミカルとの油化ケミカルリサイクルが実際の供給量・売上として立ち上がるか。「テーマの華やかさ」ではなく「テーマがキャッシュに変わるか」を、脆弱な財務と重い需給の両面から見極める必要があります。
14. 参考文献(出典ランク)
| 出典 | ランク |
|---|---|
| 決算短信(2026年6月期第3四半期・2026年5月15日開示)/有価証券報告書(EDINET・E36478) | A |
| EDINET DB(財務・セグメント・大株主の構造化データ) | A |
| 中小機構「100億宣言」/事業計画及び成長可能性に関する資料(Growth100) | B |
| 会社IR・PR TIMES(三菱ケミカル提携・MUFG3者MOU・REAMIDE・鹿嶋市6者連携) | B |
| irbank.net/株探(株価・信用残・大量保有・適時開示一覧)、maonline・logi-today(提携報道) | C |
免責事項・ディスクレーマー
本記事は特定企業に関する調査分析の情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。筆者は財務アドバイザー・投資助言者ではありません。適正株価レンジは独自の前提に基づく評価手法の例示であり、将来の株価や企業価値を保証するものではありません。記載の数値・進捗は各記載日時点の公開情報(主に決算短信・有価証券報告書・成長可能性資料)に基づき、今後の開示・訂正により変動し得ます。小型グロース銘柄は株価変動が大きく、流動性も限られます。経営陣の発言・会社見通しは当該企業の見解であり、客観的事実とは区別してお読みください。投資判断はご自身の責任において、十分な情報収集と専門家への相談のうえで行ってください。筆者は本記事で言及した銘柄のポジションを保有している可能性があります。