ドル円の「リスクオン」「リスクオフ」の動きと、変動要因をわかりやすく表でまとめました。リスクオン/リスクオフは市場のリスク許容度に応じて、ドル円相場に大きな影響を与えます。
状態 | リスクオン(Risk-On) | リスクオフ(Risk-Off) |
---|---|---|
動き | 円安(ドル高)方向に動きやすい | 円高(ドル安)方向に動きやすい |
背景 | 投資家がリスクを取れる状態である場合 | 投資家がリスクを避け、安全資産を求める場合 |
具体的な動きの要因 | 株価上昇/経済指標の改善/景気回復の期待/高利・高リターン資産への投資増加 | 株価下落/景気減速の懸念/地政学的リスクや金融危機/低リスク資産(円や国債)への資金移動 |
具体例 | 米国経済の回復や株価上昇に伴い、ドルが買われ、円が売られやすい。リスクを取ったリターンが期待されるため、円安方向に動く傾向がある。 | 世界的な不安材料(例:金融危機や地政学リスク)で安全資産としての円が買われ、ドル円は円高方向に動く。リスク回避のため、ドルも売られ、円が上昇する傾向がある。 |
この表のように、リスクオンの時は円安、リスクオフの時は円高の傾向が見られることが多いです。
本日アメリカ大統領選挙で大きくドル円が動いたのはなぜでしょうか?
1.不確実性が消えた
報道でハリスかトランプか接戦になっていると繰り返されていました。そのため、リスクをとるべきかどうか様子見をしていた投資家が多かったと考えられます。決まったため、一気にリスクオンに傾いたと言えます。
2.トランプラリーと言われたほどの株価上昇が過去にあった
2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選した後、株式市場は急上昇しました。具体的には、2016年11月8日の選挙当日以降、株価指数の動きは以下のようでした。
ダウ平均株価(Dow Jones Industrial Average)
選挙日の終値は約18,332ドルで、トランプ氏の当選後、株価は勢いよく上昇し、2017年1月20日の就任日には約19,827ドルに達しました。これにより、選挙日から就任日までの間で 約8% の上昇を記録しました。
S&P 500指数
S&P 500は、選挙日の終値2,139ポイントからスタートし、トランプ氏の就任日には2,271ポイント付近に到達しています。この期間の上昇率は 約6% でした。
長期的な上昇率
トランプ政権時の経済政策(減税政策や規制緩和)が好感され、株式市場はその後も順調に上昇しました。トランプ氏の在任中、ダウ平均株価は約55%、S&P 500は約66%上昇し、特にテクノロジー株を中心に成長を続けました。
トランプ氏の当選後、株式市場は米国の経済成長と企業収益の向上に対する期待感から上昇し、マーケットのリスクオンムードが続きました。
3.ロシアウクライナ戦争を終わらせると発言
トランプ氏は大統領になったらロシアウクライナ戦争を終わらせると発言していました。戦争のためにインフレになったのでインフレ抑制の期待もあります。
さて、
相場は相場に聞けという格言があります。予想が思ったように当たらなかったとしてもどうしてそうなったのかをよく振り返り、それについていくということが大事です。
2024年は夏から難しい動きを繰り返していましたが、およそその警戒がなくなりつつあります。11月はよほどのことがなければ株式市場のいい時期になっています。
ただし、当時と世界情勢や足元の経済環境はずいぶん変わっています。ニュースなど意識していきたいですね。
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